godiac13 blog v2.0

ザ・アルバムレビュー「GUITARHYTHM III」布袋寅泰

ひたすらわが道を行く「GUITARHYTHM」シリーズの3作目。テーマは「WILD」革ジャンにGパンといった相変わらずコンセプチュアルな布袋寅泰師匠ですが前作の「GUITARHYTHM II」から1年、間髪入れずのリリース。アルバムから一番の有名曲は「LONELY☆WILD」でしょう。今でも信者からの人気が高く、胸の熱くなる楽曲の一つといえ、代表曲といっても過言ではないでしょう。参加ゲストも豊富でクリス・スペディング、アンディ・マッカイ、マイク・エドワーズ、ニール・Xと布袋師匠の趣味でしか集まらないような人選でしたが、その場面ごとの起用は見事でした。特に必聴なのはクリス・スペディングとのギター・バトル!TV等の特集でレコーディング時の二人の様子が映されていましたが、二人で同じブースに入り向かい合って熱く弾くその姿は、見ているこっちも息が止まるほどの白熱のプレイでした。ああいうのって分かり易くて、面白いよね。


1.MILK BAR PM11:00
オープニングインスト。メインのバッキングでの甘いトーンのアーミングが印象的。途中のブレイクでメインのGuitarだけ残る箇所の「溜め」がプロフェッショナル。この曲を生演奏したのは日清パワーステーションでのLiveだけだったはず。バンドで演奏しこの曲が出来上がった時、本人は「これをシングルにする!」と言い放ったそうです。坂本龍一かよ!

2.UPSIDE-DOWN
割りと軽めの歪みだがピッキングは強く、かつ丁寧にプレイされたイントロ。テンポも速いし(190!)勢いに任せて弾いてしまいがちだが、こういうリフほどしっかり弾くのは大事なことだ。これより更に丁寧にプレイされているのはBメロのワウワウ。これを完コピするのはかなり大変だと思う。まずピッキング音は絶対に出さず弦が一番鳴っているときには全踏みの状態でなければこの音は出ない。キレの良いカッティングはもちろんのこと、ワウペダルを踏むタイミングと素早さが兼ね揃い、このうねったノリを出して初めて完コピしたといえよう。

3.DIRTY STAR
リフ物バンザイ。ギター小僧には馴染みのあるコードばかりだから聞いたことあるような気がするんだけど誰もやったことない、みたいな。ハムバッキング専用のリフって感じやね。例の2ハムZEMAITISで弾いてるのかな?「SPACECOWBOY SHOW」の一曲目だった時は超感動した。ソロで転調するのもカッコイイね。この曲はバンド練習にスゴく良いと思うよ。シンセが無くてもできるし、リフだけで押してる曲じゃなく途中落ちるとこがあって徐々に盛り上がるとことかも非常にイイ! ただ、このリフは音符の長さとキレが重要。音を切る時は左手でミュートせず、思い切って右手を弦にぶつけて止めてしまえ。このアルバムの裏テーマはまちがいなく。このDIRTY STARだ。とオレは思っている。

4.さよならアンディ・ウォーホル
「ポップアートの巨匠」アンディ・ウォーホルへ捧げる一曲。一番印象に残るA音が左右に振られるAメロのリフはサンプリングであり、Liveでもサイドギターは弾かずにサンプラーに発音させている。Liveでのソロ部分はサスティナー付きの布袋モデルをスタンドに立ててプレーしていた。不満を言わせてもらえれば、Liveでのイントロ部分が単音弾きではなくコード弾きだったことが唯一の不満だった。しかし突如「DOBERMAN TOUR」の演奏では本人が単音弾きをしてくれていて「(n‘∀‘)ηキタワァ」となったのが記憶に新しい。

5.DIVING WITH MY CAR(RED ZONE VERSION)
本アルバムでシングルカットされている「LONELY☆WILD」のカップリング曲をアレンジしたもの。よく色んなアーティストがアレンジ版をアルバムに入れるが単純にミックスを変えていたりするだけのものが多い。これは完全に別バージョンと評価でき、またLiveでもこのバージョンで披露するという「完全版」だ。ソロ後に得意のシンセベースが走っているのが古くからのファンにとっては馴染みのある音色で涙モノだ。ソロでは珍しくオクターバーがかかっていたが音色がLONELY☆WILDと同じ設定になっていたのではないだろうか?

6.PRECIOUS DEAL
イントロのリフはサンプリング。取り込んだギターの音を波形編集してワザと平坦なサウンドに施されているようだ。リフ後半のベンドダウンもアーミングではなくサンプラーを使用して機械的に音程を調節しているので似たニュアンスを手で真似るのは可能だが、完全なるデジタル処理なので無味な雰囲気を出すのも逆に難しいものだ。非常に若者へのメッセージ性の強い歌詞でロック小僧は涙して聞き入ることを薦める。ドラマチックなソロに感動・・・

7.EMERGENCY
先日話題になったRIP SLYMEとの共演「BATTLE FANKASTIC」にも参加している福富さんが打ち込みを担当。ここまでGUITARHYTHM SOUNDを支えてきた藤井丈司氏とは全然違うアプローチで、結構テクノっぽい印象だがGuitarが入ってくるとそのクサさも一変する。ギターソロは元ジグジグ・スパトニックのニール・Xとリレーでプレイ、そしてお約束のハモりがあり、実に楽しい。イントロのカッティングをコピーするにはかなり練習が必要だ。布袋カッティングに共通なのは、ちまちま弾かないこと不要な弦は左手でしっかりミュートしながら全部弾く!これ超重要。テストに出すからな。

8.ELECTRIC WARRIORS
ジーザスジョーンズのマイク・エドワーズとの共作。イントロの爆音はまさにジーザスジョーンズサウンド!シンセ類を使用し、これほど暴力的なサウンドを作れるのは彼しかいない。布袋のシンプルながらもトリッキーなリフと絡み合って最高。ブレイクでのサスティニアックの使い方がかなりクレイジー&曲後半でのリズムに合わせたアームアップは神技である。真似すれば、できないことはないがこのプレイ事体を思いつくところがスゴい。プレイすると簡単だが「発想するのが難しい」ってやつだ。

9.GUILTY
熱いながらもクールに重くプレイされたカッティングのリフは聴くと簡単そうだがしっかりとしたリズムできちんと弾くのはかなり骨だ。「SPACECOWBOY SHOW」で辻剛氏が弾いていたリフは完璧だ。さすが布袋師匠に「オレの曲弾かせるとオレよりウマい」と言わせただけのことはある。そしてBメロ。歌のハモりが実に絶妙。布袋師匠はもともとコーラスがかなりウマいのだ。

10.I’M FREE
これもまたGuitarのサンプリングと生の絡んだイントロ。かなりインパクトが強い。そしてシンプルなAメロからBメロに移るコード進行が美しい。ロックでないと味わえない温かさと美しさが秘められている。そして、なんといっても最大の聞かせ所は中盤&後半のギターソロ! 言わなくても分かると思うが、渋~くスライドをキメているのがクリス・スペディング。見た目はただのオッサンだがなめちゃイカン。レスポールJr.を自慢の腹に乗っけて味のある深いプレーをしている。そして布袋師匠の方は闘争心剥き出しで全快でロックンロール魂をクリスにぶつけている印象だ。こういうギター・バトルは小僧にとっては何杯でもメシが食える!そういえばこの曲、イントロ部分がガソリン(オイル?)のCFに使われてたな。

11.LONELY☆WILD (UPPER VERSION)
このアルバムのシングルカット曲。宝石屋のCFにも後々使われていた。メインのリフにはオクターバーがかかっており、後の「SPACECOWBOY SHOW」くらいまではLiveでも実際にオクターバーをかけてプレイしていたが、更に後は全くかけなくなった。かけないほうが好きかも。2曲目のUPSIDE-DOWNと同様にBメロでワウペダルが使用されており、当然こ・れ・も難しい。UPSIDE-DOWNと比べてリバーブが深めにかけられているがごまかしのきかない、非常に難関なプレイだ。ツアーでも演奏度が高く、信者は必ず熱く燃える。

11.WILD LOVE
GRETSCHのWhite Falcon用の曲。イントロのアルペジオっぽい前半は楽に弾けるんだけど最後のFmに落ちるとこが難しくて昔よく小指がつりそうになったのを記憶している。間奏のフィードバックの駆けあいを中心とした2本のGuitarの片方は、確か長年GUIARHYTHMシリーズのツアーメンバーである成田忍氏がプレイしていたと記憶している。片方は布袋師匠がサスティニアックを使い、成田氏はEBowを使って音をフィードバックさせてたと思う。違ってたらゴメン!

12.MILK BAR AM3:00
ロキシー・ミュージックのアンディ・マッカイのみの演奏。布袋師匠が憧れとする存在だ。憧れの人がスタジオに来てくれただけで感動ものなはずだが、コンソール側からきっちり演奏に注文をつけていた布袋師匠。プロフェッショナルだ!(しかも英語)

13.GUITARHYTHM(MUSIC BOX)
GUITARHYTHMのサビ部分をオルゴール調で。このテーマだけは必ずアルバムのどこかで使用すべき楽曲であろう。



この時の機材は全作品を見渡しても最もシンプルなセットだったはず。使用アンプはPeaveyの「5150」というエドワード・ヴァンヘイレンモデルだ。個人的にオレはPeaveyの高域の粒立ちが嫌いで敬遠していたが本作品ではそういったPeaveyの嫌な部分というのは全く感じられない。エンジニアの腕ももちろんだが、布袋氏のピッキングにも秘密が隠されていると思われる。カッティングが上手なギタリストでありながら、一変してディストーションがかかると割りと低域がエンハンスされた音になる特徴がある。それも非常にプラス要素と考えている。有名なプロのギタリストでも、歪ませるとかなり耳が痛くなる音を出す人は大勢いるが師匠はそれがない。あれだけワイルドに弾きながらも繊細な技術を持ったギタリストなのである。

布袋サウンドではサンプラーを駆使したサウンドが欠かせない存在となっていますが、今回はそれをさらに目立つ形で採用しているように思えます。この頃はまだハードディスクレコーディングは現場で使用できるほどの代物ではなかったはずなので部分的なデジタル録音系はサンプラーのみを使用したと思われる。人間の声をサンプリングしたサウンドはこの頃も既に定番となっていましたがソロのギタリストが自分のギター・サウンドをサンプリングするのは実に珍しいというかそんな人今までいた? 聞くとわかりますがサンプリングしたギター音には「ノーマライズ」といって音をコンプレスし、ワザと平坦なサウンドに聞かせる波形編集技術が施されているようです。

関連記事

4 Comments

影にい says...""
熱いレビューですね。
楽しく読めせていただきました。
ギターや機材の知識が弱い僕にはこういうレビューを書く人がいるのはやっぱり嬉しいな。
このどこをかじっても美味しいアルバム。
ポップでもありマイナーでもある。
布袋節ですよね~
2006.05.07 12:49 | URL | #79D/WHSg [edit]
godiac13 says...""
ありがとうございます!
次はどのアルバムにしようか思案中です。
「II」は2枚組みなのでちょっと骨ですね。。。
2006.05.08 09:58 | URL | #79D/WHSg [edit]
吟遊詩人41 says...""
lucaさん経由で訪問しました。
布袋さんソロなってからの方が断然いいですね〜
ってゆうより、ボーイって聴いた事無いし、有線で流れてた時西城秀樹だと思ってたし。。。
レコーディングでも「アノ」ギター使用してるんでしょうか?
もちろんライヴ用とは別モノでしょうが。
2006.05.14 23:16 | URL | #79D/WHSg [edit]
godiac13 says...""
>吟遊詩人41 さん
はじめまして、nice!&コメントありがとうございます。
私はBOΦWYも聞いていましたが、火がついたのは
やはりソロになってからですね。
レコーディングでもバリバリあのギターですよ。
アルバムによってですが、最近出たベスト盤は使用率が
高かったとコメントしてました。
2006.05.15 16:33 | URL | #79D/WHSg [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://godiac13.jp/tb.php/492-f39a3687
ザ・一覧
多くの布袋教信者がこのブログに訪れてくれているようなので布袋寅泰関連の記事一覧をまとめておきます。[アルバムレビュー]・MONSTER DRIVE・DOBERMAN・SCORPIO RISING・fetish・SUPERSONIC GENERATION・GUITARHYTHM・GUITARHYTHM III・その他エフェクター関連記事等レビューを書いてる順番がバラバラですが順次書いていく予定です。よろぴく。
ザ・一覧
多くの布袋教信者がこのブログに訪れてくれているようなので布袋寅泰関連の記事一覧をまとめておきます。 ・布袋寅泰関連記事 [アルバムレビュー] ・GUITARHYTHM ・GUITARHYTHM III ・GUITARHYTHM IV ・King&Queen ・SUPERSONIC GENERATION ・fetish ・SCORPIO RISING ・DOBERMAN ・MONSTER DRIVE ・その他エフェクター関連記事等 レビューを書い
該当の記事は見つかりませんでした。